国際協力機構(JICA)・科学技術振興機構(JST):
地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)

 土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)は、東京大学、東北大学、滋賀県立大学、名古屋大学、京都大学とともに、国際協力機構(JICA)、科学技術振興機構(JST)による「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の防災部門の研究課題「気候変動下での持続的な地域経済発展への政策立案のためのハイブリッド型水災害リスク評価の活用/Development of a Hybrid Water-Related Disaster Risk Assessment Technology for Sustainable Local Economic Development Policy under Climate Change(課題名の略称:HyDEPP)」を実施しています。

 SATREPSとは、開発途上国の研究者と共同で研究を行う研究プログラムで、日本国内ではJST事業として、相手国内ではJICAによるODA事業として実施されます。プログラムを通して、日本と開発途上国との国際科学技術協力の強化、地球規模課題の解決と科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術の獲得、これらを通じたイノベーションの創出、キャパシティ・ディベロップメントを達成することを目的としています。本研究課題はフィリピン共和国を対象としており、に日本国側研究代表機関は土木研究所ICHARM、相手国側研究代表機関はフィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)です。

 フィリピン共和国では、将来の気候変動による水災害の頻発により地方都市の持続的な発展が阻害され、マニラ首都圏への更なる一極集中が進むことが懸念されています。本研究課題は、マニラ首都圏近郊のパンパンガ川流域およびパッシグ・マリキナ川・ラグナ湖(図1)を対象として、従来の気候変動・水理水文・農業・経済活動モデルを結合させたハイブリッド型モデルを用いた水災害リスク評価に基づき、分野横断型のアプローチ(図2)により、気候変動下での都市と農村における持続可能な経済発展のための政策提言を行うことを目的とします。これらの政策提言により、フィリピン共和国内の水災害レジリエンスの向上と均衡のとれた国土発展による持続可能な経済発展への貢献を目指しています。

 研究課題の概要は表1の通りです。また、JSTの研究課題紹介のページでも、詳細をご参照いただけます。研究活動は、①データの収集・統合化、②水理水文・農業モデルによる洪水・渇水リスク評価、③水災害レジリエンス評価、④持続可能な経済発展シナリオの検討という4つの研究グループごとに展開しています。

JSTの研究課題のページ:https://www.jst.go.jp/global/kadai/r0109_pilipinas.html


表1 研究課題の概要
項目
詳細
・日本側研究代表機関及び研究代表者 国立研究開発法人 土木研究所 水災害リスク・マネジメント国際センター(ICHARM)・主任研究員・大原美保
・日本側研究実施機関 東京大学、東北大学、滋賀県立大学、名古屋大学、京都大学
・相手国 フィリピン共和国
・相手国側研究代表機関及び研究代表者 フィリピン大学ロスバニョス校・教授・Dr. Fernando C. Sanchez, Jr.
・相手国側研究実施機関 フィリピン大学ディリマン校、フィリピン大学ミンダナオ校
・日本国内でのJST事業の実施期間 準備期間:2019年4月~2020年3月
本格研究期間:2020年4月~2025年3月(5か年間) 
・相手国内でのJICA事業の実施期間 2021年6月~2026年5月(5か年間)
(注:コロナ禍によりJICA事業開始を延期したため、2021年6月から開始した)

図1 研究プロジェクトの対象地域
図1 研究プロジェクトの対象地域
 
図2 分野横断型のアプローチによる政策提言のプロセス
図2 分野横断型のアプローチによる政策提言のプロセス