オランダ若手専門家訪日団と意見交換を行いました

 2023年11月15日(水)午前、インフラ・水管理省などオランダの5つの政府機関(Ministry of Infrastructure and Water Management, Department of Waterways and Public Works, PBL Netherland Environmental Assessment Agency, Human Environment and Transport Inspectorate, and Authority for Nuclear Safety and Radiation Protection)からなる約40名の若手専門家(行政官や研究者)訪日団との意見交換を行いました。

 意見交換は栗林上席研究員の司会で進められ、訪問団の団長であるJeroen Deurloo氏から訪問団の紹介を受けた後、森グループ長からICHARMの概要を説明しました。次いでICHARMの4名の研究員から、長期間の流出解析システム(ラスミー主任研究員)、インドネシアにおける気候変動下の農業リスク評価(シュレスタ専門研究員)、日本の中小河川での洪水予測(柿沼研究員)、およびフィリピンで実施している知の統合オンラインシステム(宮本主任研究員)それぞれの研究内容を紹介しました。

 オランダ側を代表してインフラ・水管理省のLouise-Anne Zaat氏より「Water management in Dutch Rivers and future challenges」と題した講演をいただきました。氏からは、自らが担当しているマース川(River Meuse)を例にとり、気候変動により流量の多い冬期はより水量が多く、水量の少ない夏期はより少なくなることが予想されていること、そのため堰上げをして乾期のために利水容量を増やすことや、河道掘削による流積を拡げることなどの対策が紹介されました。

 各発表に対して、参加者からは熱心な質疑応答が行われ、予定していた時間を大幅に超過しましたが、最後は光橋特別研究監から閉会の挨拶を行い、意見交換は終了しました。

 なお、午後は同じく土木研究所の研究センターであるCAESAR(構造物メンテナンス研究センター)とiMaRRC(先端材料資源研究センター)との意見交換も行われました。土木研究所が、このような大規模なオランダからの来訪を受けるのは近年ありませんでしたが、オランダと日本で共通の課題があることを改めて理解することが出来ました。

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