常総市の中学生がICHARMを来訪

 2024年10月15日、茨城県立水海道第一高等学校附属中学校の1年生約40名が土木研究所及びICHARMを来訪しました。今回の来訪は、今年9月から始まった同校の課題探究学習の一環として行われ、土木研究所及びICHARMでの取り組みを講義や見学、体験を通じて学んでいただく貴重な機会となりました。

 当日は、傳田正利主任研究員による講義を皮切りに、ダム実験施設の見学、そして仮想洪水体験システムを用いた浸水体験が実施されました。

 傳田正利主任研究員の講義では、2015年に発生した常総市の洪水災害を例に挙げ、洪水の原因やその被害について説明がありました。さらに、洪水被害を軽減するための国際的な取り組みについて、国連、ユネスコ、世界気象機構、日本政府やICHARMの事例を交えながら紹介されました。

 続いて、水工チームの協力のもと、ダム実験施設の見学を行いました。特に利賀ダムの模型実験は、緊急放流を想定した迫力あるものであり、生徒たちはそのスケール感に圧倒され、終始興味深く見学している様子でした。

 最後に行われた仮想洪水体験システムによる浸水体験では、仮想空間上に再現されたつくば市上郷地区で、アバター(仮想空間における自分の分身)を操作しながら浸水範囲や浸水深を直感的に体験しました。平常時、既往最大時、計画想定規模、想定最大規模の4つのシナリオで体験が可能で、生徒たちはその違いを実感しながら洪水災害について学んでいました。本体験は、仮想空間上でアバターを自分自身で操作する特性上、浸水範囲や浸水深を地形特性とともに学べ、平面的なハザードマップでは理解しにくい3次元的な視点で洪水を捉える貴重な学びの場となりました。

 今回の来訪を通じて、生徒たちの土木や災害に関する知識と関心が深まる良いきっかけになれば幸いです。

傳田主任研究員による講義の様子 ダム実験施設見学の様子
傳田主任研究員による講義の様子
ダム実験施設見学の様子
仮想洪水体験システムを体験する中学生の様子 仮想洪水体験システムを体験する中学生の様子
仮想洪水体験システムを体験する中学生の様子